COLUMN

「社長のための組織改善のきほん!」

「人事評価制度=給料を決めるルール」と考える社長の
会社が伸びない理由

「人事評価制度=給料を決めるルール」と考える社長の<br>
会社が伸びない理由

組織人事コンサルタントとしてベンチャー・中堅中小企業を中心に年間70社の組織改善に携わるプロフェッショナル、稲冨健太さんの連載「社長のための組織改善のきほん!」では、ベンチャー・中小企業経営者の視点で、組織の課題とその対応策をわかりやすく解説していきます。

 

今回は、企業の理念がしっかりと浸透し、成果や成長を促すことができる人事評価制度についてのポイントを解説します。人事評価制度は、単なる「賃金のルール」ではなく企業の未来を共に築くための大切なツールであることを、忘れないでください。

この記事で答えが見つかるかもしれないお悩み

  • 従業員のパフォーマンス格差をなくしたい!
  • 会社全体の雰囲気を前向きにしたい!
  • 人事評価制度を改善したいが方法がわからない!

解説するのはこの人

稲冨 健太(いなどみ・けんた)

組織人事コンサルタント 稲冨 健太(いなどみ・けんた)

2018年リンクアンドモチベーション新卒入社。人事制度策定の領域で多くの企業の支援を行い、エンゲージメント、利益向上に貢献。社内MVP獲得(西日本中小・ベンチャー事業部)。2021年に独立後も組織人事コンサルタントとしてベンチャー・中堅中小企業を中心にコンサルティングを提供し、年間70社の組織改善の支援実施。顧客の自走化を実現するコンサルティングを強みとする。

◆「従業員のパフォーマンス格差」に悩む経営者からのお悩み相談

多くの経営者が直面する「従業員のパフォーマンス格差」。これは単なる給与やボーナスの問題ではありません。実は、企業の成長と従業員の進化を促す強力なツールとしての側面が、人事評価制度には隠されています。

 

人事評価制度と聞くと、多くの人は「給与やボーナスを決めるためのルール」としてのイメージを持つかもしれません。しかし、その本質はもっと深いと言えます。それは「会社の成果と従業員の成長を促す仕組み」であり、企業の理念を浸透させる強力なツールとしての側面を持っています。

 

例えば、私がプロジェクトをご一緒した中でこんなお客様がいらっしゃいました。

 

そのお客様は、飲食や宿泊といったサービス中心の事業展開をされていました。一人ひとりの人の持っているアイデアやスキルが収益に繋がりやすい事業モデルです。

 

その中で従業員の方が発揮するパフォーマンスや業務クオリティにバラつきやムラがあり、利益が創出しづらい状況が続いているとご相談を受けました。もちろん、市場環境など経営を左右する様々な要因がありますが、そのお客様は素敵な企業理念を掲げているのにも関わらず、人の問題に目を向けることが多いことが気になりました。

 

多面的な調査を行うと、「企業理念を体現しても、自分のトクにならないから関係ない」「経営陣が自己満足で作ったもので自分達のためではない」と思っている従業員の方が多いという残酷な事実が浮かび上がりました。

 

企業理念を大切にしても、自分の給料にはならない、お客さんのためにもならない、そんな感情が蔓延していたのです。

◆「理念を体現してもトクしない…」従業員の意識を変革する

その事実を経営陣と向き合いながら、「全員で理念を大切にして、それが成果、報酬になるような会社にしよう」という想いでプロジェクトを立ち上げました。

 

その中で、企業理念を軸とした人事評価制度を設計・運用することで、日々の仕事がどのように理念と繋がっているか、逆に、理念を体現することでどれだけの成果が出るのかといったことを明確にすることができました(具体的な施策は次項で書きます)。

 

結果として、企業理念に対する印象は大きく変わるとともにお客様からの評価も変わり、従業員からその体現エピソードを全社的に取り上げたいと言った声まで出てくるようになりました。

ただ給与を決めるためのルールとして人事評価制度を利用することは、そのポテンシャルの半分も活用できていないと考えます。人を、組織を成長させる絶好の仕組みとして人事評価制度を活用する方法を探していくことが重要です。

◆すべての人事評価制度は「人事ポリシー」から始まる

では、理念を浸透させ、人と組織を成長させる人事評価制度にはどのような要素が必要なのかを少しご紹介します。

 

人事評価制度は、一般的に「等級」「評価」「報酬」の3つの要素で構成されると言われています。しかし、これらの要素の前提として、実は「人事ポリシー」という非常に重要なものが存在します。

人事ポリシーとは、ざっくり言えば、企業が従業員に対して「こんな人になって欲しい」「こう言う人を評価したい」といった願いや期待を具体的に言葉にしたものです。例えば、「当社ではチームワークを重視する」というポリシーがあれば、協調性やチームでの成果を重視した評価が行われるでしょう。

◆「人事評価制度と企業理念はセットで作る」が基本の「き」

従業員が向く方向性を一致させて、価値観を共有するためには、企業理念やビジョンといった会社の目指す姿を明確にする必要があります。まずは自社が従業員に対して明確に目指す方向を示すことができているかを把握し、適切な言葉になっているかを確認する必要があります。

 

その上で、企業の理念やビジョンは、何もしないままでは従業員にとっては遠い存在と感じられることが多いです。しかし、「人事ポリシー」をうまく設計し、それを評価制度に反映させることで、理念や経営からのメッセージを具体的な行動や評価の指標として浸透させることができます。

 

例えば、企業の理念に「お客様第一」という言葉がある場合、人事ポリシーで「お客様の声を大切にし、迅速に対応する姿勢を持つこと」を奨励する行動、評価するポイントとして設定することで、従業員は具体的な行動をすることができます。

 

◆どんな会社も「成長のサイクルが回り続ける組織」になれる

等級、評価、報酬。これらの要素が人事ポリシーに即していないと、評価制度は情報のツギハギのようになってしまいます。結果、その企業独自のカラーや特色が薄れ、従業員のモチベーション低下や組織の一体感の喪失を招く恐れがあります。

 

人事ポリシーを軸として、一貫性のある人事制度を設計・運用することで、企業理念やビジョンとの整合性、等級・評価・報酬の一貫性を生み出すことができますその結果、従業員の納得感や理解度を向上して、うまく成長サイクルを回すことができるでしょう。

 

今回の連載では、企業の理念がしっかりと浸透し、成果や成長を促すことができる人事評価制度についてのポイントを解説します。人事評価制度は、単なる「賃金のルール」ではなく、企業の未来を共に築くための大切なツールであることを、忘れないでください。

 

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