2社合併の環境の中、メンバーが主体的に考えるビジョンの策定に成功/株式会社ユビキタスAI

組織の合併直後は、従業員の方向性がどうしてもずれてしまいがちです。

社員の行動や考えを変えるために、ビジョンを改めて作成する企業も多くあります。

しかし社員が主体的に考えられず、思うようなビジョンの策定ができないと悩む経営者の方も多いのではないでしょうか。

今回は、2社合併の難しい環境の中、社員が主体的に取り組んでビジョンを策定した、株式会社ユビキタスAIの長谷川聡氏にお話を伺いました。

今回お話を伺ったのはこの方

株式会社ユビキタスAI 代表取締役社長 長谷川 聡 氏

90年成蹊大法卒。

同年ダイヤモンドファクター(現三菱UFJファクター)入社。

08年ユビキタスAIコーポレーション入社。

その後、代表取締役社長に就任する。

ビジョンを変えるに至ったきっかけ


企業理念ラボイベントにてゲストトーク中の長谷川社長

Q.企業理念ラボに依頼した経緯を教えてください。

弊社は、2017年4月にM&Aした会社と2018年7月に合併をしました。メーカーと商社、上場企業と非上場企業など会社運営の背景や前提条件が異なる事業体により構成されています。

コロナ禍で100年に一度の危機と変化が起こり、当社の業績や業界にも大きな影響があり次の中期経営計画を立案するタイミングで、この変化に対応した会社の方向性を示すためにも、ビジョンを再定義する必要があるのでは、と考えました。

中堅社員の育成・コーチングをお願いしている、私が頼りにしている方から「ビジョンを再定義するタイミングではないか」とアドバイスをいただいたこともきっかけの1つです。

ただ、トップダウンでビジョンを考えただけでは浸透しないだろうと考えていました。

そんな時に企業理念ラボを主宰するエンカレッジの古谷さんからSNSを通じてコンタクトをいただきました。

最初は仕事を頼むことは考えていませんでしたね。

古谷さんとは、私が以前住んでいた福岡で活動されていること、地域での取組をされているといった共通点があったのでお話しすることになったのですが、古谷さんのご経験やお取り組みをお聞きしながら、会話の中で当社の課題についてお話ししました。その後、古谷さんが私の目指す方向性と現状の課題を簡潔にまとめてくれたことで「会社のビジョン作りを古谷さんに伴走してもらうのが良いのでは」と思い、全部で3回のオンライン面談を経て依頼することとしました。

ビジョンを通じて社員の意識が変わった

Q.企業理念ラボを利用してみた感想をお聞かせください。

過去のプロジェクト事例をご紹介いただき、今回の弊社のビジョン策定には現在会社の中核として業務を行っているメンバーに担当してもらうことにしました。
弊社は、2つの会社が一つになったことやメンバーがほぼ転職者でそれぞれのバックグラウンドも社歴も経験も異なるため、同じ考えを共有するのが難しい環境にありました。
まずは彼らの意識を一つにしてもらう、同じ方向を、できれば同じ絵を見て行動できるようになってもらうことで会社全体で方向性を共有できるようになればと考えました。

普段は担当業務が多忙かつ専門的であるため、お互いが会話する機会もなく、つながりが希薄だったメンバーたちがビジョン策定に取り組む中で長い時間を一緒に過ごし、考えを共有することでお互いを理解し横のつながりができました。彼らが作った横のつながりが、さらに組織間に拡がり、担当する組織の縦のつながりと網目状になり、強い組織になっていくことを期待しています。

Q.自分たちでビジョンを作っていたらどうなっていたと思いますか?

社内だけで取り組んでいたら、トップダウンで事が進み、今までの延長線上のビジョンになっていたと思います。プロフェッショナルとして経験と実績があり、横から冷静に指摘ができるエンカレッジさんにお願いしたことで、素晴らしいビジョンが出来たと思っています。

また、ビジョン策定にあたり経営陣が直接関与せずメンバーに任せたことで、自分達のビジョンとして語れるものが完成したと思います。経営陣が陣頭指揮をとっていたら、忖度した腑に落ちないビジョンになっていたように思います。

元々外部に頼むことをコストと考えがちで、ビジョンなんて自前で作って当たり前だと思っていましたし、社員の中でも「自前で決めないビジョンってなんですか?」という指摘もありました。

ただ、コストなどにこだわってしまったら良いビジョンにはならなかったなと思います。
良いモノをつくるために、プロフェッショナルの力を借りることの重要性を痛感しました。

プロジェクトの成果はビジョンと意識の変化

Q.プロジェクトに取り組む中で印象に残っているエピソードはありますか?

先に述べたとおり、今回は会社の中核として業務を行っているメンバーに担当してもらいました。しかし、組織を運営するマネジメント経験が十分でない人が多く、崖っぷちに追い込まれて仕事をするといった経験はあまりなかったかと思います。

おそらく、取り組みはじめた当初は、コンサルタントの方がいるので、リードに従って取り組んで行けば良いと思っていたのではないでしょうか。
自分の主張を強く推すことや、他者の意見に指摘することもなく、なんとなく議論は進み、最大公約数をまとめた落としどころのようなアウトプットが続いていました。

役員の考えをひっくり返すくらいの強い想いをぶつけてもらいたかったのに会議の名称が、“役員とのすり合わせ”になっていて、残念に思ったのも覚えています。

指示や方針には的確に対応できる能力の高いメンバーなのですが、なんとなく忙しい仕事の合間に片手間で取り組んでいるような感じだったため、私と副社長で「覚悟が足りない、本気で取り組んでいるのか!」と少しきつい言葉を発したこともありました。おそらく、そんなことを言われるとは思っていなかったでしょう。ビジョン策定に関わる事ができるのは良い経験になる、程度の人もいたと思います。その後、メンバーの動きが真剣になり、自分ごとに変わっていったように思います。

Q.プロジェクトを通して得られた成果はありますか?

ビジョンは会社が考えて浸透させるものではなく、自分たちが主体で取り組むものだと意識が変わったのを実感しました。

古谷さんからも「あなた達次第ですから」と突き放されたあたりから、メンバーが真剣に取り組んでいったのを覚えています。

しかし、当初メンバーから出てくるビジョンは、役員の考えを察するようなきれいな言葉で飾られたものばかりで、腹落ちするものではありませんでした。

ただ、本人たちも自分ごとになっていないことに焦りを感じていたようで、作戦会議をしていく中で意識が変わっていったと思います。

複数回レビュー会を開いていると、その度に皆主体的になっていき、最終的には満足のいくビジョンが完成しました。

「あなた達が会社側の人間なんだよ」と、企業理念ラボのプロジェクトを通じて分かってもらえたと思います。

また、このプロジェクトで、それぞれのメンバーの強み、弱みなども把握することができ、今後、誰に何を任せていくのが良いかということも知ることが出来ました。

社員が納得できるビジョンの策定に悩んでいる方へメッセージ

ビジョンを策定する前は、どこか他人事の社員を心配していました。また、外部の方にお願いしてどこまで自分たちのことを理解して、納得できるものになるのかも気がかりでした。コストをかけたけど、こんなもんでしょ、と言われることを怖れていました。

しかし、ビジョン策定を中核のメンバーに任せることで、納得できるものに仕上がったと思います。また、繰り返しになりますが、プロの伴走があったおかげで、素晴らしいビジョンに仕上がり、同時に、関わったメンバーの成長が得られたと感じています。我々の指導では、こんなに短期間で社員の成長とチームワークの醸成、横のつながりを実現することはできなかったと思います。

特にオーナー企業の方は、自分の思いがありますし、社員が頼りなく見えるので、ご自身が主導でビジョンを作るべき、とお考えになるのではないでしょうか。組織が機能するためには、社員の協力が必要ですし、社員が納得して仕事ができる環境が必要かと思います。自分たちの行動指針であるビジョンが、社員目線で納得出来るものであることが重要と感じています。社員を信じて、自分がこうあって欲しいと思う会社のビジョン作りに関わる事で、良い会社、強い会社になっていくのではないかと思いました。

次はビジョンの浸透ですが、これもメンバーに任せて会社の成長を実現していきたいと思っています。

〈会社概要〉

  • 社名:株式会社ユビキタスAI
  • 代表取締役:長谷川 聡
  • 事業内容:ネットワークに接続される様々な機器に搭載される組込みソフトウェア製品等の開発及び販売や組込み用ソフトウェア、OS、開発ツールなどの輸入・販売など

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